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「バ、バカって......」
そんな言い方しなくても......
あながち間違っていない彼の言葉に凹んでいると、
「......嘘だよ、そんな事思ってない。広瀬がなかなか言わないから、ちょっとからかっただけ」
吉岡くんが、不意にふっと顔を緩める。
......あ......
彼の笑顔に、私の胸が、トクンと鳴ったのがわかった。
「さっ、やるよ?」
吉岡くんが、自分の椅子を、ガタッと私の机に近付ける。
私は、ちょっぴり頬を熱くしながら、シャーペンを手にした。
こういう、彼のさり気ない笑顔が、いつも、私の胸のドキドキを高まらせる。
笑った顔だけじゃない......困った顔も、怒ったような顔も、そして、ちょっぴり意地悪な顔でさえも、彼の表情は、いつも私の感情を振り回す。
こんな気持ちは、祐ちゃんと出会って以来、初めてだ......
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