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きっと吉岡くんは、その茶色い瞳で、何もかも見透かして......
私に、正しい答えを導き出させようとしてくれたはず。
けれど......
何度考えても、今の弱すぎる私に、祐ちゃんと離れる選択肢なんてなかった。
『俺はお前を捨てねーから』
『ずっと側にいてやっから』
どうしても、彼の言葉が頭から離れなかった。
私は、勉強も手につかないほど気にかけてくれていた吉岡くんの気持ちに、応える事が、できなかった。
ごめんなさい、吉岡くん......
嘘ばかりついて、ごめんなさい......
弱くて、情けなくて、本当にごめんなさい......
私は心の中で、何度も何度も彼に繰り返した。
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