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そんな......
そんな嘘をついて、私を呼び出すなんて......
彼女の横で、小さくため息をつく。
呼ばれてもいないのに私が来たら、祐ちゃんが不機嫌になるのは当たり前だった。
「あの、何か私に用があったんですか......?」
「やだ尚ちゃん......久しぶりにお友達の尚ちゃんに会いたくなっただけよ?」
「......はぁ......」
気まずさいっぱいの私に構う事なく、絵里さんが、スッと私にお茶を差し出す。
「さ、飲も?尚ちゃん」
「あ、でもやっぱり私は帰った方が......」
「大丈夫よ、祐也ももうあんなだし......ね?」
そっと覗くと、祐ちゃんは、特に私を気にする事なく、ビールを片手に、友達と盛り上がっていた。
「ほら、早く、尚ちゃん」
「あ......はい」
ちょっとだけいても、大丈夫かな......
私は、強引な絵里さんに言われるがまま、
「じゃあ私、残りのお酒、冷蔵庫に入れて来ますね」
袋を手に、キッチンに向かった。
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