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「あ、そうだ。私ね?今日は、尚ちゃんに見せたいものがあったの」 二本目のカクテルに口をつけた絵里さんが、嬉しそうに言いながら、携帯を開く。 長い爪で器用に携帯を弄った彼女は、 「どう?かわいい寝顔の彼氏に惚れ直した?」 その画面を、スッと私に向けた。 ......えっ......? 目に飛び込んで来た画像に、思わず目を見開く。 彼女が私に見せたのは、自分のベットで寝ている、上半身裸の祐ちゃんの写真だった。 なに、これ...... 咄嗟にパッと顔を伏せる。 「この間の飲み会の時にね?祐也、酔っ払って一人で先に眠っちゃって......その時、みんなでふざけて写真撮ったの。だから、尚ちゃんにも見せてあげたくて」 「......あの......」 「あ、写真撮った事は内緒ね?ほら、祐也って、写真撮られるの嫌いじゃない?みんなとも、内緒にしよう、って約束したの」 「......」 ホント、かな...... 私が知る限り、飲み会の途中で祐ちゃんが一人で先に眠ってしまった事など、一度もない。 私は、なんだか嫌な予感を抱えながら、膝の上の拳を握った。 .
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