15/15

1572人が本棚に入れています
本棚に追加
/1362ページ
「尚......」 立ち尽くす私を、急に声色を変えた祐ちゃんが、そっと抱き締めた。 「ちゃんと俺の言う事聞いてたらずっと側にいてやっから。一人になりたくねーんだろ?」 真っ白な頭の中に、祐ちゃんの低い声が響く。 ......一人は......やだ...... 私は、彼の腕の中で、無意識に頷いていた。 「俺はお前を捨てねーから。安心しろ」 不意に身体が持ち上げられ、ベットが軋む音が聞こえる。 ぼんやりと白い天井を見上げていると、Tシャツとパーカーを脱ぎ捨てた祐ちゃんが、私の上に跨がってきた。 彼の瞳を見つめる。 霞んでしか見えないのは、涙のせいだろうか...... 彼の瞳には、私はちゃんと映っているのだろうか...... 私は、その答えを知るのが怖くて、そのままゆっくりと目を閉じた。 .
/1362ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1572人が本棚に入れています
本棚に追加