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「尚......」
立ち尽くす私を、急に声色を変えた祐ちゃんが、そっと抱き締めた。
「ちゃんと俺の言う事聞いてたらずっと側にいてやっから。一人になりたくねーんだろ?」
真っ白な頭の中に、祐ちゃんの低い声が響く。
......一人は......やだ......
私は、彼の腕の中で、無意識に頷いていた。
「俺はお前を捨てねーから。安心しろ」
不意に身体が持ち上げられ、ベットが軋む音が聞こえる。
ぼんやりと白い天井を見上げていると、Tシャツとパーカーを脱ぎ捨てた祐ちゃんが、私の上に跨がってきた。
彼の瞳を見つめる。
霞んでしか見えないのは、涙のせいだろうか......
彼の瞳には、私はちゃんと映っているのだろうか......
私は、その答えを知るのが怖くて、そのままゆっくりと目を閉じた。
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