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放課後のクラスの中は、先程までのざわめきが嘘のように、静まり返っていた。 私は、自分の席に座ったまま、遠い窓の外に目を向けていた。 小雨がぱらつく外は、雨雲のせいで、いつもより薄暗く、空一面が、灰色に覆われている。 今の私の心と、同じ色に見えた。 二人きりのクラスの中。 「......広瀬も、悪いよ」 しばらく黙ったままだった彼は、不意に言った。 その声に、窓の外から、右隣へと視線を戻す。 「......うん」 予想通りの彼の言葉に、私は、そっと俯いた。 昨日話せなかった、祐ちゃんとのこれまでの事を、私はさっき、全て吉岡くんに話した。 .
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