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高2の秋の終わりに、私は祐ちゃんと出会った。
『しばらくこれで生活して下さい。また持ってきます。』
母が、メモと5枚の一万円札を残して出て行った日から、1ヶ月が過ぎた頃だった。
一人きりの私を心配して誘ってくれた梨花と、一緒に行ったファミレス。
そこでの彼との出会い。
翌日から一日に何度も届いた『いつなら会える?』『そろそろ返事くれ!』という、メール攻撃。
そんなしつこい彼からのメールをチェックし続け、返信もしないまま1週間が過ぎたある日......夜中になっても、朝方見ても、私の携帯に新着メールは届いていなかった。
何か、あったのかな......
返信しないから、嫌われたのかな......
急に不安になった私は、その時初めて、自分が彼からのメールを待っていた事に気付いた。
『メール返さなくてごめんなさい。また会えますか?』
三日後......私は、祈るような気持ちで、彼にメールを送っていた。
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