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「いや、マジで振られたかと思ったし」
彼は、私に会った途端、嬉しそうにニッと笑った。
「あ、つーかまだ告ってもねぇか」
「えっ?」
「尚ちゃん、マジで俺と付き合ってよ」
「......」
一気に顔が熱くなり、思わず俯くと、
「あ、今、うん、つった」
「......えっ?言ってな......」
「決まりね、今日から尚ちゃん、俺の彼女」
「......」
強引な彼に、私はドキドキしながら......今度はちゃんと、意志を持って、コクッと頷いた。
祐ちゃんは、優しかった。
『時間まだ大丈夫か?』
『寒くねぇか?』
『疲れてねぇか?』
デートの最中、しつこいくらいに聞いてきた。
私は、そんな強引だけど優しい彼に、どんどん惹かれていく。
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