13

6/17
前へ
/1362ページ
次へ
私はその夜、彼の家に泊まった。 「そんな固くなんなって」 「......だっ、だって......」 彼のベットの上でガチガチに緊張していた私の身体を......私の心を......いつもは強引な祐ちゃんは、ゆっくり、ゆっくりと、優しく解きほぐした。 「尚......」 何度も名前を呼ばれ...... 「祐ちゃん......」 何度も名前を呼び...... 私の目に浮かぶ涙は、次第に、初めての痛みのせいではなく、彼に愛されている事への、幸せと、安堵の涙へと変わっていた。 その日を境に、私達は、週に何度もデートをし、そのまま互いの家で身体を重ね......私はいつしか、母がいない寂しさを、彼にすっぽりと包み込んでもらっていた。   祐ちゃんがいるから、私は一人じゃない。 そう、思っていた...... .
/1362ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1572人が本棚に入れています
本棚に追加