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私が必死で守ろうとしてきた『彼の彼女』という立場が、今、儚く崩れようとしている。
いや......もう、崩れてしまったのかもしれない。
祐ちゃんは、絵里さんの事が、好きなんだろうか......
私はもう、用済みなんだろうか......
私はまた、一人になるんだろうか......
そんな私の話を、吉岡くんは、ただ黙って、聞いていた。
言葉を挟む事なく、身動きする事なく、目の前の机を、ただ黙って見つめていた。
私は、昨日夜通し考え、十分に現実を理解しながらも......
まだ心の奥のどこかに、灰色に覆われた、振り払う事ができない思いを抱えていた。
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