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「昨日の宿題の答え合わせなー?」
黒板に4つの数式を書き写した先生が言った。
......あ......
昨日の夜には覚えていた宿題の存在をすっかり忘れていた事に、今さら気付く。
結局私は、今日の朝方、急いで自宅に戻り、シャワーを浴びて制服に着替え、そのまま小走りで登校した。
ギリギリでHRに間に合い、ホッとしたばかりなのに、1時間目の数学で、またしても私の胸がドキドキと高まってしまう。
「じゃあ今から呼ばれた人は前に出るように」
先生が、クラスの中をぐるっと見渡した。
「問1は......石田」
「げっ......また俺!?」
クラスのムードメーカーの石田くんのリアクションに、みんながクスクス笑う。
「問2が......」
次々指名していく先生。
......どうか、当てられませんように......
必死で願っていた私は、
「......じゃあ最後の問4はー......広瀬」
え。
先生の声に、ドキリと顔を上げた。
「はい、前に出て」
「......はい」
......当てられた......
ドキドキしながら、ゆっくりと立ち上がる。
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