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「いい加減にしなよ」
彼の、いつになく低い声が、私の身体を強張らせる。
「お金と身体だけで繋がってる関係なんて、おかしいと思わないの」
「......」
「自分を愛してくれない彼と付き合ってるのが、おかしいと思わないの」
「......」
「そんな事もわからないの、お前」
「......」
わかってるよ......
わかってるけど、でも......
制服のスカートを、ギュッと握る。
「......わかってるよ、そんな事.....」
私は声を振り絞った。
「わかってるけど、怖いん、だもん......」
「......なにが」
「だって......また、一人になるのが、私......怖くっ......」
「広瀬」
私の震える声を、吉岡くんが、止めた。
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