14

2/11
前へ
/1362ページ
次へ
「ちょっと尚、聞いてる?」 「......えっ?」 「だーかーらーっ、2組の藤島よ、知ってる?」 「えっと......藤島、さん?」 「違くてっ!ほら、バスケ部の背の大きい奴っ。3年2組の藤島圭太、知らない?私、中学一緒だったんだけど」 雨の日の昼休み。 私の隣りの吉岡くんの席に座っていた梨花は、最近新たにハマり出したという、大きなメロンパンの袋を開けながら言った。 「......あ、ちょっと、わかんないかも......」 「もうー、つまんないっ」 ムッと私を睨んだ梨花が、大きなメロンパンを、パクッと一口頬張る。 「えっと、その人がどうしたの?」 「なんか、好きっぽいんだよね、尚の事」 「......へっ!?」 モゴモゴしながらの梨花の衝撃発言に、私は、声を裏返しながら、目をパチクリした。 .
/1362ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1572人が本棚に入れています
本棚に追加