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「ちょっと尚、聞いてる?」
「......えっ?」
「だーかーらーっ、2組の藤島よ、知ってる?」
「えっと......藤島、さん?」
「違くてっ!ほら、バスケ部の背の大きい奴っ。3年2組の藤島圭太、知らない?私、中学一緒だったんだけど」
雨の日の昼休み。
私の隣りの吉岡くんの席に座っていた梨花は、最近新たにハマり出したという、大きなメロンパンの袋を開けながら言った。
「......あ、ちょっと、わかんないかも......」
「もうー、つまんないっ」
ムッと私を睨んだ梨花が、大きなメロンパンを、パクッと一口頬張る。
「えっと、その人がどうしたの?」
「なんか、好きっぽいんだよね、尚の事」
「......へっ!?」
モゴモゴしながらの梨花の衝撃発言に、私は、声を裏返しながら、目をパチクリした。
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