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絶対、無理......
やってません、って言ったら怒られるかな......
「広瀬ー、どうした?」
「は......はいっ」
私は、解答欄が空白のままのプリントを手に、重い腰を上げた。
ど、どうしよう......
一番後ろの席から、空っぽの頭のまま、黒板に向かって足を踏み出そうとした時。
私の身体を遮るかのように、横から、細長い腕がスッと伸びてきた。
......え?
視線を落とすと、小さな字で解答欄が埋められた、一枚のプリントが見える。
「やってないんだろ?」
私にプリントを差し出していたのは、隣りの席の、吉岡くんだった。
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