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「でもさっ、尚。もし祐也くんと別れたら、藤島にしなよっ」
「えっ?な、なんで......?」
梨花が、隣りからニヤニヤと私の顔を覗き込む。
「あいつ、昔から結構人気あるんだよねー。明るいし、おもしろいしさっ」
「......そうなんだ」
「顔もまぁまぁだし、バスケもうまいし、普通にいい奴だよっ?藤島」
「......ふぅん」
......あれ。
さっき、『バスケ部』って......
「え、じゃあ、その人、吉岡くんと同じ部活の人?」
「ん?......あぁ、そうだよね、2年の時まで吉岡もバスケ部だもんね」
「......」
そっか......
吉岡くんのお友達なのかな......
チラッと目を向けると、吉岡くんは、いつものように、梨花の椅子を横に向けて座り、窓際で、石田くんと二人でお弁当を食べていた。
「まぁでも、尚と祐也くんが別れる訳ないけどねー」
「......うん」
梨花に祐ちゃんとの事を何も話せていない私は、彼女と目を合わせる事ができないまま、小さく頷いた。
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