14

4/11
前へ
/1362ページ
次へ
「でもさっ、尚。もし祐也くんと別れたら、藤島にしなよっ」 「えっ?な、なんで......?」 梨花が、隣りからニヤニヤと私の顔を覗き込む。 「あいつ、昔から結構人気あるんだよねー。明るいし、おもしろいしさっ」 「......そうなんだ」 「顔もまぁまぁだし、バスケもうまいし、普通にいい奴だよっ?藤島」 「......ふぅん」 ......あれ。 さっき、『バスケ部』って...... 「え、じゃあ、その人、吉岡くんと同じ部活の人?」 「ん?......あぁ、そうだよね、2年の時まで吉岡もバスケ部だもんね」 「......」 そっか...... 吉岡くんのお友達なのかな...... チラッと目を向けると、吉岡くんは、いつものように、梨花の椅子を横に向けて座り、窓際で、石田くんと二人でお弁当を食べていた。 「まぁでも、尚と祐也くんが別れる訳ないけどねー」 「......うん」 梨花に祐ちゃんとの事を何も話せていない私は、彼女と目を合わせる事ができないまま、小さく頷いた。 .
/1362ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1572人が本棚に入れています
本棚に追加