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*** お風呂から上がり、携帯の画面を見ると、午後9時を少し過ぎていた。 通話履歴を表示し、発信しようと伸ばした私の手が、今日も震える。 「......」 私は、携帯を手にしたまま、画面を見つめた。 なんの躊躇いもなく押す事ができていた日が......懐かしく感じる。 3日前の電話で、 『話したい事があるんだけど......今から行っても、いい?』 確認した私に、祐ちゃんは、 『あ?無理』 そのまま電話を切った。 昨日のメールで同じ事を尋ねた私に、いつまで待っても、彼からの返信はなかった。 部屋で、絵里さんと一緒に過ごしてるんだろうか...... 今となっては、私にとって、考えても意味のない事なのに......ついそんな考えを浮かべるどころか、胸が締め付けられる自分が、嫌になる。 .
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