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今日も、断られるかな......
しつこいって、怒られるかな......
やっぱり、明日にしようかな......
祐ちゃんの苛立った声が耳の奥で響き、勇気が出なくて、履歴画面を消そうとした時。
突然手の中にあった携帯のランプが光り、私は、震え出したそれを、思わず落としそうになった。
『着信 川原 祐也』
これまでに何度も表示された名前に、今まで以上にバクバクとした心臓を抱えながら、震える指で通話ボタンを押す。
「あ、祐ちゃ......」
『今から来いよ』
......え?
「......あの、飲み会......?」
『は?』
「......じゃ、ないよね......?」
『......てめぇが話があるっつってたんだろーが』
「あっ......うん、ごめん......」
イライラしながらも、やっと話を聞いてくれる気になったらしい祐ちゃんに、私の緊張が、一気に高まる。
『とりあえずビール買って来いよ』
「あっ......あのっ、私、今日はっ......」
言いかけた私の言葉は、プツリという無機質な音によって、無情にもかき消された。
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