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つけっぱなしのテレビに目を向け、缶のプルタブを開ける祐ちゃん。 私は、テーブルの角を挟んだ彼の隣りに、静かに腰を下ろした。 「......祐ちゃん」 「......」 「......あの、祐ちゃん......」 「......」 話があると言っている私の方を、全く見てくれない彼に、 「祐ちゃん......」 もう一度声をかける。 「......なんだよ」   「あの、話があるんだけど......」 「だからなんなんだよっ」 「あっ、うん......ごめん」 苛立っている彼の声に、身体がいつも以上に強張った私は、テレビから目を離さない彼に、諦めてそのまま口を開いた。 .
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