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「......あの、私、今日は、祐ちゃんと......」
「......」
「......祐ちゃん、と......」
「......」
会ったら真っ先に言おうとしていた言葉が、思わず喉の奥に詰まってしまう。
ちゃんと、言わなきゃ......
両手の拳を握り締めた私は、その喉の奥に、グッと力を入れた。
「あの......私今日は、祐ちゃんと別れようと思って、それを言いに来たの」
言い切った途端、小刻みに自分の手が震えているのに気付き、思わず片手でギュッと押さえる。
「......は?」
「......」
「......てめぇ、何言ってんだよ」
「......あの、だって......」
「っざけんなよ」
「......」
「......」
どうして、怒るの......?
だって、祐ちゃんは......
「つーか説明しろよ」
どんどん脈拍が速まっていた私に、彼が、いつも以上に低い声で急かした。
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