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何も言わずに、タバコを吸い続けている彼の目線は、相変わらずテレビへと向いていた。
それでも祐ちゃんは、私の話をちゃんと聞いているような気がして......私は彼に問いかけた。
「......祐ちゃん、絵里さんと付き合ってるんでしょう......?」
「......」
「祐ちゃんは、絵里さんの事が、好きなんでしょう......?」
「......」
「私なんか、もういらないんでしょう......?」
「......」
否定も肯定もせず、黙ってテレビを見つめ続ける彼。
「だから......」
「......」
「だから、もう......」
「......」
「もう、いいから......」
「......」
「祐ちゃん......私を、捨てて......?」
思い切って伝えた私の胸は、今にも押し潰されそうだった。
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