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改めて口にすると......すごく不思議だった。
ずっと、私が恐れてきた言葉なのに。
祐ちゃんの『捨てられてぇのかよ』という言葉が、あんなにも、怖かったのに。
それを、自分が彼に対して望むように話している事が、ものすごく不思議だった。
私が必死でこだわってきた、『彼の彼女』という肩書きを、私は、自ら手放す。
私は、彼の横顔を見つめた。
「だから、祐ちゃん......これからは、絵里さんと、仲良く......」
「別れねぇかんな」
「......えっ？」
突然聞こえた言葉に、思わず耳を疑う。
「え......あの、祐ちゃん......」
「お前と別れねぇっつってんだよ」
「......あの、どうして......」
口から煙を吐き出しながら、ギュッと灰皿にタバコを押し付けた祐ちゃんは、
「つーか、てめぇがいなくなったら、誰が金出すんだよ」
低い声で言うと、ふっ、と小さく笑った。
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