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「俺がお前を捨てる訳ねぇだろーが」
グシャ、と缶を潰した祐ちゃんが、新しいビールに手を伸ばし、そのプルタブを開ける。
なに......それ......
「お金......の、為......?」
消え入りそうな私の声に、
「それ以外に何の理由があんだよ」
祐ちゃんは、缶ビールに口を付けながら、再びふっ、と笑った。
震える身体を、キュッと両手で押さえる。
「......嫌だ......」
「は?」
「......別れる......」
「何言ってんの?お前」
私は、必死で声を振り絞った。
「......私、祐ちゃんと別れ......」
「ふざけんなよ」
彼の低い声に、私の言葉が呆気なく途切れる。
「つーかよ」
「......え......?」
「俺、別にお前とヤんのも嫌いじゃねーし」
笑いながら話す祐ちゃんの姿に、私は、思わず唖然とした。
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