1572人が本棚に入れています
本棚に追加
着ていたTシャツを捲り上げられながらも、必死で抵抗していた時。
彼の舌打ちが聞こえたかと思うと、
「......っ!!」
ドサッという音と共に、全身に鈍い痛みが走った。
......祐ちゃんが、ベットの下へと私を突き落としていた。
じわじわと、腕に、腰に、足に......痛みが広がる。
なん、で......
痛みに比例するかのように、私の目に、じわりと涙が浮かんだ。
「......てめぇ、マジでふざけんなよ」
「......」
なんで、祐ちゃん......
「......帰れよ」
床に這いつくばり放心していた私の背中から、荒い息遣いの、低い声が聞こえる。
......帰ら、なきゃ......
私は、乱れた息のまま、両腕に力を入れて身体を起こし、服を整えた。
よろよろと立ち上がり、バックを手に取る。
おぼつかない足で歩きながら、部屋のドアノブに手をかけた時。
「尚」
背後から聞こえた声に、ビクッと手足が止まった。
「ぜってぇ別れねぇかんな」
「......」
私は、振り返る事が出来ないまま、震える足を踏み出し、静かに部屋のドアを閉めた。
.
最初のコメントを投稿しよう!