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先週までの雨雲はすっかりと姿を消し、眩しい程の青空が広がっていた、月曜の朝。
いつもより早く登校した私は、席に着くと同時に机の下を覗き込み、自分の膝を、もう一度確認した。
「......やっぱり、目立つよね......」
くっきりと残る痣に、再びあの夜の光景が蘇る。
私は、ポケットから取り出したハンカチを膝に広げ、その痣を隠した。
祐ちゃんの家に行ったのは、三日前の、金曜の夜。
翌朝、腕や足に浮かんでいたいくつかの痣を見ながら、私はしばし茫然とした。
腕は、長袖で隠れるけど......
廊下を歩く生徒達に目をやると、皆、制服のブラウスは、半袖タイプを着ている。
なんか、私だけ目立つかも......
私は、小さくため息をつきながら、ゴソゴソと鞄に手を伸ばした。
英語のプリントと筆箱を取り出し、机の上に置く。
......早く、終わらせなきゃ。
私は、無理矢理気持ちを切り替え、真っ白な宿題のプリントに手をつけた。
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