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「今日、こんなに気温高いのに?」
「......う、うん......」
「......」
頷いた私の横で、吉岡くんが、怪訝な表情で、ジッと私のブラウスを見つめる。
えっと......ど、どうしよう......
痣を隠している事がバレてしまうのではないかと焦った私は、
「あ、あの......私、風邪気味なの」
咄嗟に嘘をついてしまった。
「......風邪?」
「......う、うん......」
「......足も、寒いの?」
「え?」
彼の目線を辿ると、その視線は、真っ直ぐきに私の膝の上のハンカチに向けられている。
「......あ、うん、なんていうか、足が、特に寒いというか......」
「足が?」
「あ、というか、全身に、寒気がするというか......」
ドキドキしながら彼の顔を覗いていると、
「......お前、大丈夫なの?」
吉岡くんは、突然心配そうに顔を歪めた。
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