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*** 「......痛い?」 彼の問いかけに、私は、フルフルと首を横に振った。 瞳を揺るがせた吉岡くんが、私が捲っていたブラウスの袖口を、そっと元に戻す。 私は、ブラウスの上から、片手で自分の右肘を押さえた。 「あの、こんな事になっちゃって、本当にごめんなさい」 彼の、戸惑いを含むような表情に、思わず小さく頭を下げる。 「......なんで広瀬が謝るの......」 困ったように言った吉岡くんは、そのまま、静かに床に目を落とした。 放課後のクラスの中。 私達は、二人きりで、向かい合って座っていた。 期末テストを控え、部活動は休みの期間に入っている。 静か過ぎる校内と、目の前で俯く彼の姿が、私の緊張と切なさを、より高めた。 .
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