7/11

1572人が本棚に入れています
本棚に追加
/1362ページ
*** 「尚ーっ、行くでしょ?」 「あ......うん!」 昼休み。 いつものように、梨花が私の席にやって来た。 梨花とは、高校に入学してからずっと同じクラスで、いつも一緒に行動している。 「あー、お腹減った!カレーパンまだあるかなぁ?」 購買に向かう途中の廊下で、私の一歩先を歩く梨花。 手元には、お弁当ではなく、彼氏の石田くんからもらった、ピンク色の財布が握られていた。 「ねぇ......梨花」 「んー?」 「......そろそろ、お弁当持ってきなよ」 「なんでー?」 「だって......」 言葉に詰まってしまった私の前で、くるりとこちらを振り返った梨花は、突然、グイッと私に顔を近付けた。 .
/1362ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1572人が本棚に入れています
本棚に追加