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*** 運ばれてきたアイスティーを飲みながら、ぐるりと店内を見回す。 テーブルの反対側には、大きな観葉植物が置いてあり、その後ろの木目調の壁には、小さな額縁に入った、花の写真が飾られていた。 カウンター席に座る、白髪頭の年配の男性も、こじんまりとした温かい雰囲気のこのカフェに、よく似合っているような気がする。 店内には、先程から、静かでゆったりとした曲調の、洋楽が流れていた。 素敵なお店だけど、高校生の私が一人でいるのには、場違いなんじゃ...... お店の雰囲気とは反して、急に居心地の悪さを感じてしまった私は、バックから携帯を取り出し、そろりと下を向いた。 時刻は、待ち合わせの5時を、10分程過ぎている。 今さら、何の用だろ...... 私は、水滴がたくさんついたグラスを手に取り、再びストローに口を付けた。 .
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