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『正確には』って事は......
その前から二人は、一緒に過ごしたりしていて......
あの日初めて身体の関係を持って......
そしてそのまま、付き合う事になった、という事だろうか......
頭の中を整理しながら、
「あの......あの日の電話は、わざわざ私を動揺させる為に、かけてきたんですよね?」
確信していた事を敢えて聞いた私に、絵里さんが、クスリと微笑む。
「当たり前じゃない。その為に電話したのよ?」
「......」
なんだろう、その言い方......
なんで、私を目の前にして、こんなに余裕で笑えるんだろう......
私は、わざわざ呼び出された意味が、余計にわからなくなった。
彼女の思惑通りになった今、私は、心のどこかで、絵里さんが私に、きちんと経緯を説明してくれるんじゃないかと......
一言だけでも、私に謝ってくれるんじゃないかと......
そう思っていた。
けれど、そうじゃない。
私は、目の前の彼女を見ながら、そんな甘い考えを抱いていた自分に、心から呆れた。
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