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どういう......事?
戸惑いを隠せずにいた私の前で、絵里さんが、再び新しいタバコを手にする。
混乱していた私は、何をどう聞けば良いのかわからず、黙ってテーブルの上の灰皿を見つめていた。
二人が、元々付き合ってただなんて......
祐ちゃん、そんな事、一言も......
灰皿に何度も伸びる彼女のタバコが、少しずつ、短くなる。
......それが、半分程の長さになった時。
「......大学1年の夏に、告白されたのよ、祐也に」
「......え?」
思わず視線を上げると、
「最初は断ってたのよ?なんかチャラチャラしてて、嫌いなタイプだったし......別に私、その頃、男に不自由してなかったしね」
絵里さんは、昔を懐かしむかのように、ゆっくりと話し始めた。
「でも、何回断っても......『いつになったら付き合ってくれるの?』とか言いながら、懲りずに私に付きまとって来て......」
「......」
「それで、ある日聞いたのよね。『あなたの周りには、たくさんの女の子がいるのに......どうして私なの?』って。そしたら祐也......『見た目がタイプ』って」
「......えっ?」
思わず目を瞬いた私に、
「ホント、信じられないわよね」
絵里さんは、クスッと笑った。
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