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目の前を歩く梨花が、重い鉄の扉を開けると、彼女の長い髪が、ふわっと風に揺れた。
頬に、少し冷たい風が当たる。
「あれ?今日、人少ないじゃん」
「あ、ホントだ......」
空にはすっきりとした青空が広がっているものの、風通しが良い屋上は、少し肌寒く感じた。
私達は、右手奥のいつもの場所に、ハンカチを敷き、並んで座った。
「良かったー、無事ゲットできて」
「梨花ってそんなにカレーパン好きだった?」
「ん?最近ハマりまくってんの」
梨花は、見事手に入れたカレーパンを、大きな口で、嬉しそうに頬張った。
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