10/11

1572人が本棚に入れています
本棚に追加
/1362ページ
「で?どうなのよっ、最近は」 「ん?」 彼女の声に、飲んでいた紙パックのお茶を、膝の上に乗せる。 「ん?じゃなくてー、愛しの祐也くんとうまくいってんの?」 梨花は、からかうように、ニヤニヤと私を覗き込んだ。 「......あぁ......うん、順調だよ?」 紙パックについていた水滴が、制服のスカートにじわりと染み込む。 「ま、聞くだけムダか。祐也くん、最初から尚にベタ惚れだったしね?」 「......そんな事......」 「そうだったじゃん、あの日の夜ファミレスでっ。祐也くんもその友達も、尚にばっかり話しかけちゃってさー。 ちょっと!私は放置ですか!?って、私何回突っ込んだと思ってるのよっ」 「......」 口を尖らせる彼女を前に、頬を膨らませプリプリと怒る、あの日の梨花が蘇った。 .
/1362ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1572人が本棚に入れています
本棚に追加