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「で?どうなのよっ、最近は」
「ん?」
彼女の声に、飲んでいた紙パックのお茶を、膝の上に乗せる。
「ん?じゃなくてー、愛しの祐也くんとうまくいってんの?」
梨花は、からかうように、ニヤニヤと私を覗き込んだ。
「......あぁ......うん、順調だよ?」
紙パックについていた水滴が、制服のスカートにじわりと染み込む。
「ま、聞くだけムダか。祐也くん、最初から尚にベタ惚れだったしね?」
「......そんな事......」
「そうだったじゃん、あの日の夜ファミレスでっ。祐也くんもその友達も、尚にばっかり話しかけちゃってさー。
ちょっと!私は放置ですか!?って、私何回突っ込んだと思ってるのよっ」
「......」
口を尖らせる彼女を前に、頬を膨らませプリプリと怒る、あの日の梨花が蘇った。
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