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「でもまぁ......良かったよ、尚にいい人が見つかって」
さっきまで口を尖らせていた梨花が、急に穏やかな口調になる。
「尚の側にいてくれる人が見つかって、ホント良かった」
手元の牛乳パックを見つめ、噛み締めるように言う梨花。
私の胸が、不意にトクン、と動いた。
「......梨花」
「ん?」
「私ね?......祐ちゃんと......」
「うん?」
「......」
何を、言おうとしたんだろう......
こんなにも、私を心配してくれる梨花に対して。
「あ......ううん、梨花だってラブラブじゃない」
慌てて話を振った私に、
「ふふっ、まぁねー」
梨花は、幸せそうに、コツンと頭をぶつけた。
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