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*** 「おはよう、広瀬。今日も早いね」 HRまで、まだ時間がある、朝の教室。 いつもの柔らかい声が聞こえる。 数学の時間にプリントを借りて以来、吉岡くんと私は、挨拶を交わしたり、10分休みの時間に他愛のない話をしたり......少しずつ会話をする機会が増えていた。 「おはよう。吉岡くんも、いつも早いよね?」 「うん、なんか、朝練の癖が抜けなくて」 「朝練?」 キョトンと隣りの彼を見つめる。 「あぁ......俺、2年の時までバスケ部だったんだよね」 「え?そうなの?」 ......それは初耳。 2年の時まで、っていう事は...... 「辞めたの?」 「うん。うちの部、強くないからさ。どうせ3年はすぐに引退だし......今は、バイトしてる」 吉岡くんは、なんでもない事のように、さらりと言った。 .
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