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「だって......私、吉岡くんに悪いなって思ったから......だから謝りたかっただけなのに、どうして怒るの?」 彼に背中を向けたまま訴えた。 「吉岡くんが、同情なんかじゃなくて、心から私を心配してくれてるのは、わかってるよ。本気で心配してくれてるの、ちゃんとわかってるよ」 声に力が入り、パジャマの裾をギュッと握る。 私の手の甲に、ポタリと涙が落ちた。 「でも......実際、関係ない事でいつも悩ませちゃってるのは事実じゃない。私のせいで、関係ない吉岡くんに迷惑かけてるじゃない。 なのに、吉岡くん優しいから、いつも私を責めないし、助けてくれるから......だから、申し訳ないなって思って謝りたかっただけなのに......」 なのに、どうして怒るの...... なんでそんな怖い顔するの...... 涙声で喋り続ける私の後ろから、ギシリと彼が立ち上がる音が聞こえる。 さっきの彼の苛立つ口調が過ぎり、咄嗟に身体を強張らせた瞬間。 私の身体が、ふわりと包み込まれた。 えっ...... な、なに...... 俯く視線の先に、吉岡くんの両腕が見える。 何が起こったのかと、頭が真っ白になっていた私の耳元で、 「......ごめん」 吉岡くんが、悲しそうに呟いた。 「あ......の......吉岡く......」 なぜか吉岡くんに、後ろから抱きしめられながら、思わず口を開く。 「八つ当たりして......泣かせてごめん」 「......え......?」 「俺、広瀬に自分の気持ちちゃんと伝えてないのに......関係ないって言われた事にイラっとしちゃって......怒ってごめん」 えっと...... 意味がわからないまま、放心していた私の耳に、 「......ホントに俺......最低だ......」 吉岡くんの、ため息混じりの声が聞こえた。 .
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