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「なんだよ広瀬、2年の時、廊下の順位表見てねーの?」
石田くんが、不思議なものでも見るかのように、私に視線を向ける。
確かにうちの学校は、テストの度に、廊下の壁に順位表が貼られていた。
但し、プライバシーを配慮してなのか、毎回、30位までの名前しか発表される事はない。
「だってあんな紙、尚には無縁だもんねー?」
梨花が、ニッ、と私に顔を近付ける。
「......りっ、梨花だって......」
「はぁー?私はいつも尚より順位上ですぅー!テストの度に毎回発表し合ってるじゃないっ!」
「......でっ、でもっ、そんなに変わらないしっ......」
「上は上でしょー?悔しかったら一回くらい私を超えてみなさいよっ」
「そっ、そんな言い方っ......」
「なによっ」
小さく言い争っていた私達の隣りから、
「はいそこ、喧嘩しない」
吉岡くんの、呆れた声が聞こえた。
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