4/15

1572人が本棚に入れています
本棚に追加
/1362ページ
彼氏の祐ちゃんのアパートでは、度々同じ大学の友達が集まって、飲み会が開かれる。 『今すぐ酒買ってこい』 お酒が足りなくなった時の、祐ちゃんのお決まりの言葉。 最初こそ『悪ぃな』と、自分の財布からお金を取り出していた祐ちゃんは、いつからか、その言葉さえくれなくなった。 「ほら、たまにはお前も飲めよ」 祐ちゃんが、私が手渡した袋の中から、一本のカクテルを取り出す。 「......あ、私は......」 「は?マジで空気読めねぇな、お前」 「......」 「つまんねぇ女」 「......」 ......大丈夫。 こんなの、慣れてる...... 冷たく背を向ける祐ちゃんの隣りで唇を噛んだ私は、スカートの裾を、ぎゅっと握った。 .
/1362ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1572人が本棚に入れています
本棚に追加