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『また会おうよ。連絡先教えて?」』
ファミレスを出ると、彼が、慣れた口調で言った。
『......あの、でも......』
『じゃ、メアドだけでいいし。嫌ならメール返さなくていいから。それなら安心だろ?』
『......はぁ......』
『返さなくていいから』という彼の言葉と、さっきから何度も浮かべる、ニッという、その笑顔。
少しだけ警戒心を解き始めていた私は、じゃあ......と、梨花と彼の友達が笑いながら話す横で、こっそりメアドを交換した。
カレー好きな私と祐ちゃんの出会いは、彼が無理矢理こじつけた、
『俺ら、うまくやっていけんね』
が、始まりだった。
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