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「てめぇ、いつまで食ってんだよ」
「......あっ、ごめんっ......」
「もぅ......いいじゃない祐也。ゆっくり食べさせてあげなさいよ」
祐ちゃんの声に我に返った私は、絵里さんにフォローされながら、急いで残りのカレーを口に入れた。
この期に及んで、私は何を期待していたんだろう......
「おいしい」とも「ごちそうさん」とも言わなくなった彼。
私の前では、全く笑わなくなった彼。
......文句を言わずに食べてくれただけいいのかな......
私は、祐ちゃんの、
『新婚旅行は、インドに行ってカレー三昧だな』
という過去の言葉と笑顔を打ち消し、ひたすらカレーを食べ続けた。
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