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「.....尚ちゃん、大丈夫?」
彼の隣りで俯く私に声をかけて来たのは、最近ここに来るようになった、彼の友達の絵里さんだった。
「......あ、はい......」
「気にしない方がいいわよ?祐也の口が悪いのはいつもの事だし」
友達と笑いながら話し込んでいる祐ちゃんに聞こえないよう、私に顔を近付け、こっそり話す絵里さん。
彼女の優しい笑顔につられて、私の緊張が、少しだけ緩んだ。
長い髪をキレイに巻いている絵里さん。
ツルツルの肌に、艶っぽい唇。
ラインストーンが散りばめられた、キラキラな爪。
甘い香水の香り。
......相変わらず、色っぽい......
まだ高3の私から見ると、まさに大人の女、という印象の絵里さんは、祐ちゃんの友達の中で、唯一、いつも私を気遣ってくれていた。
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