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「......あの......お金は祐ちゃんが、ちゃんと後でくれるんです。親も、うち、厳しくないので......」
......うまく、言えただろうか。
バクバクとした心臓を抱えながらも、必死で笑顔を作る。
少し考えるような顔をした絵里さんは、
「......そう」
再びピンクの缶を手に取り、コクン、と一口飲んだ。
「あ、尚ちゃん、携帯の番号教えて?」
「えっ?」
「私、尚ちゃんとお友達になりたいの」
「......はぁ......」
深く突っ込んで話を聞かれるのではないかと身構えていたものの、あっさりと話題が変わった事に、少し拍子抜けしてしまう。
「......嫌?」
絵里さんは、甘えるような上目遣いで、私を見つめた。
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