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「......広瀬は、短大に進学希望なんだよね?」
教科書を端に寄せ、机に両手を組んだ吉岡くんが言った。
......覚えてたんだ......
「あ、うん......一応......」
以前なんとなく吉岡くんに話してしまった事をちょっぴり後悔しつつ、答える。
もはや私の学力レベルは彼に知られている。
「広瀬には無理かな」という言葉を覚悟し、吉岡くんの次の言葉を待った。
「俺は、就職組なんだよね」
......え......?
吉岡くんが、真っ直ぐ前を見ながら言う。
学年トップの吉岡くんは、当たり前のように大学に進学すると思っていた私は、意外な彼の言葉に驚いた。
「あのっ、どうして......もったいな......」
「早く、働きたくて。だから、大学へは行かない」
私の言葉を遮り、彼はきっぱりと......まるで何か......心に強く決めた事があるかのように言い切った。
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