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進学しないのが悪いわけじゃない。
私が勝手に、吉岡くんは大学に行くものだと思い込んでいただけ。
でも......
どうして早く働きたいの?
何か、やりたい事があるの?
大学を卒業してからじゃダメなの?
......吉岡くんに聞きたい事が、たくさんあった。
けれど私は......彼の瞳の奥に、揺るぐ事がない決心のようなものが見えた気がして、何も問い掛ける事ができなかった......
そしてもう一つ。
『どうして、そんな話を、私にしてくれたの......?』
自惚れだろうか......
何かを考えるように机に目線を落とした吉岡くんの横顔が、なんだか少し寂しそうで、私は彼が誰にもこの話をしていないような気がした。
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