1572人が本棚に入れています
本棚に追加
/1362ページ
「私だったら別れちゃうな。彼氏にあんな態度取られたら......」
絵里さんの言葉が、私の胸に鋭く突き刺さる。
俯いていても、絵里さんの悲しそうな表情が、見えるような気がした。
でも......私......
「......別れたく、ないんです......」
声が震える。
「......あんな祐也でも、好きなの?」
「......はい」
私は、どうしても彼を失いたくなかった。
「......そう」
一言だけ言い残すと、目の前のカクテルを手に取る彼女が視界に映る。
呆れただろうか。
どんなに冷たい言葉を浴びせられても......それでも彼に、すがりつく私を......
私は、絵里さんの顔を見る事ができないまま、黙って俯いていた。
.
最初のコメントを投稿しよう!