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「あの、すみません......なんとなく、緊張しちゃって......」
用がないのに自分から電話をするのが苦手な私は、あれ以来、絵里さんに、電話もメールもしていなかった。
『もう......お友達なんだから、緊張しなくてもいいのに......』
「あ、はい......そうですよね......」
『ところで尚ちゃん、今おうち?』
「あ、はい。友達と、ご飯食べてて......」
『やだ......一人だからって、家に男の子連れ込んでるとかじゃないわよね?』
「そっ、そんな訳っ......」
『もう、冗談よ......ホントに尚ちゃんってば、かわいいんだから』
「......」
電話の向こうでクスクス笑っている絵里さんに、慌ててしまった自分が少し恥ずかしくなる。
『ちなみに私達も、ご飯食べ終わって......今、彼、シャワー浴びてるの』
......私達?
って......絵里さん、彼氏いたんだ......
というか、シャワーって......
絵里さんの言葉に大人の余裕を感じながら、私の顔は、みるみるポッと熱くなった。
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