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「......吉岡くんの、せいじゃないよ......」
「......」
「私、お腹痛くて、トイレに籠もってただけだし......」
「......」
「ホントに私......すごく、お腹が......」
「広瀬」
喋り続けていた私の声を、吉岡くんが止めた。
ふと彼の横顔に目を向ける。
「お前......嘘つくの、ヘタ」
「......え......?」
「......泣くほどお腹、痛かったの」
「......」
「......まだ、目ぇ腫れてる」
「......」
いつもなら慌てて顔を背けるはずなのに......
なぜだか私は、真っ直ぐに私を見つめている彼の、その茶色く透き通る瞳から、目を逸らす事ができなかった。
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