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「尚ちゃんは、帰らないの?」
私の隣りで立ち上がった絵里さんが言った。
「あ、私は歩いて帰れるので、もう少ししたら......」
ここを片付けてから帰らないと、祐ちゃんの機嫌がますます悪くなってしまう。
「でももう遅いし......明日も学校でしょう?」
「......あの、本当に大丈夫です、心配して頂いて、ありがとうございます」
「......そう......」
......え......?
気のせいだろうか。
絵里さんが、小さく舌打ちをしたような気がした。
「ほら絵里っ、行くよ!」
「......はいはい、じゃあね?祐也、尚ちゃん」
「あ......気をつけて......」
ニコッと笑う絵里さんに、さっきのは気のせいだったと認識した私は、ホッと胸を撫で下ろした。
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