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「あーっ、もう決めらんないっ!尚が選んでっ?」
「えっ......私っ?」
「ねぇ、どっちがいいと思う?」
「......え、っと......こ、こっち」
「えー、オレンジも捨てがたくない?」
「......」
じゃあ、聞かないで欲しい......
「うーん......ま、尚がそう言うならピンクでいっか」
スカート一枚に2時間を費やした梨花は、最後は呆気なくそう言った。
石田くんに褒めてもらえる事を期待しながら、一生懸命に洋服を選ぶ梨花は......きっと彼の事が、本当に好きなのだと思う。
軽い足取りでレジへと向かう梨花を見ながら、私は、散々つき合わされた事を忘れ、頬を緩ませた。
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