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*** 梨花の買い物も終わり、ショッピングビル内のカフェでお茶をしている時だった。 「あら?尚ちゃん?」 「......絵里、さん......?」 両肩に大きな紙袋を抱えた絵里さんが、私達の席に近付いて来た。 「やだ、嬉しいっ、こんな所で尚ちゃんに会えるなんて」 「あ......ホント、偶然......」 自分の顔がうまく笑えていないのがわかる。 「お友達?」 チラリと絵里さんに視線を向けられた梨花は、 「あ......はじめまして」 座ったまま、ペコッとおじぎをした。 「ねぇ、私一人なの。ご一緒してもいい?」 「あ......えっと......」 「あっ、どうぞ!」 私が返事をするより先に、梨花が、慌てて隣りの椅子に置いていた自分の荷物を床に下ろす。 「嬉しいっ。ありがとうっ」 にこりと笑顔を浮かべた絵里さんは、そのまま、カタリと梨花の隣りに座った。 .
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