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「あ、私、先帰るね?」
「えっ?梨花...... 」
「いいっていいって」
絵里さんと私に気を遣ったのか、梨花が、突然荷物を持って立ち上がる。
「あら......やっぱり、お邪魔だったわよね、私......」
「あっ、そんな事ないです!私、もう買い物も済んだんで、どうぞ尚とごゆっくり!」
「ごめんなさいね」
梨花の笑顔に、絵里さんは、申し訳なさそうに眉を下げた。
「じゃ、尚、また月曜ねっ!」
「え、あの......」
ぺこりと絵里さんに頭を下げ、さっさと帰って行った梨花を、ポカンと見つめる。
「......」
思わぬ場所で彼女と二人きりになってしまった私は、気まずさから、そろりと顔を伏せた。
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